
毎日新聞社と当時の在日ベトナム人協会は2019年、ベトナムからの留学生や技能実習生、就労者、それを目指す方々の役に立つ情報を提供するウェブサイト「 KOKORO 」と Facebookページを発足させました。サイトには、技能実習生が最小限の借金で来日する方法や留学生のアルバイトの探し方、 日本で困ったときの相談先や対処方法、ベトナムと日本の文化の違い、日本での生活に関する情報などを2カ国語でくわしく正確に紹介しています。2024年現在、記事は約500本あります。

KOKOROプロジェクトでは、さらに、ベトナム人に限らず外国人を受け入れる事業者向けに、行政や商工会議所などと連携し、外国人雇用に関する知識をお伝えするセミナーも開催してきました。
ここ数年、日本の少子化が従前の予想を上回るスピードで進行し、今後、日本の人口が急激に減っていきます。既に、人手不足による受注制限やサービス提供の制限、営業時間縮小などを余儀なくされている事業者も多く、外国人材の適正な活用は多くの事業者にとって重要課題となっています。
意欲があり日本語も話せる外国人材を安定的に採用するにはどうしたらよいか、そして、それらの人材に長く定着してもらうにはどうしたらよいか。特に大企業に比べて財力・組織力の弱い中堅・中小企業にとっては悩ましい問題です。
今回、毎日新聞社会部で調査報道を長く手がけた熟練記者がKOKOROプロジェクトを通じて積み上げた無数の取材結果の中から、外国人を雇用する事業者に必要な情報を一般公開すべく、KOKOROの衛星サイトとして「外国人材 採用・定着の鉄則と『裏側』」を開設する運びとなりました。「裏側」とは、外国人材業界に携わる人たちの中では常識とされていることでも、世間一般や受け入れ事業者に知られていない多数の情報を指しています。
取材は、国内外の多数の行政関係者や送出機関、監理団体、登録支援機関、その他の人材業者、外国人受け入れ事業者、外国人雇用に関するコンサルタント会社、弁護士、行政書士、そして外国人労働者に対して長年にわたって積み重ね、記事ごとに該当する専門家の監修も得ました。
日本の事業者が良い外国人材を適正に採用・処遇し、その外国人が職場に長く定着するようになれば、事業継続に役立つと同時に外国人の人生やキャリアにもプラスになります。そのような職場が増え、「日本に来て良かった」と感じる外国人が増えれば、人材をめぐる国際競争の激化や円安・賃金安による日本のビハインドを乗り越え、日本が末永く外国人材の十分な協力を得られる国であり続けられると考えます。当サイトが外国人材受け入れ事業者と外国人、そして日本社会の将来に役立つことを願っております。
毎日新聞社・KOKOROプロジェクト統括者